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22/05/24()19:08:12No.931014304

ちゅ、と湿ったリップ音が鳴った。

マシュと唇を重ね、暫く動かないでいる。

彼女を抱き留める腕は優しく背中と腰に回し、彼女が本気で嫌がったら振り解けるようにしてある。

それでもマシュは自分とのキスを拒んだ事は1度だってない。

恋人が睦み合うように、夫婦が愛を営むように、優しく優しく、温かく柔らかく、後輩の可愛い唇を堪能する。

「ん……ふ、ぁ……」

漏れ出る声はただの音なのか、気分が高揚しているのか。

彼女のヒップに伸びそうになる腕を素早く戒め、心の中で頭(かぶり)を振る。

 

──これは訓練、魔力を円滑に渡すための練習だから

──マシュはそれに付き合ってくれているだけ、変な勘違いをしてはいけない

 

 

 

22/05/24()19:08:37No.931014465

始まりは何だったか、もう覚えていない。ただ魔力の流れがもっと良かったら、傷付いたマシュを見てそう悔やんだ事だけが心に残っている。

だからこれは訓練。これは特訓。これは……、或いは懺悔。

マシュを守りたい、マシュと強くなりたい、そんなクソッタレな莫迦の願いから生まれた愚にも付かないもの。

「は、はぁ、はぁ……、せん、ぱい……」

「マシュ……」

だからそんな色っぽい目で見ないで欲しい。今の感情はどうあれ、始まりは愛なんかじゃなかったのだから。

己が弱いせいで君の大切な唇を何度も奪ってしまっている事を、どうか許さないで欲しい。遠い将来、素敵な旦那と出会った時に、弱くて情けない奴に奪われたと嘆いて欲しい、憤慨して欲しい。

マシュ・キリエライトという清らかな乙女の隣には、もっともっと相応しい誰かがいる筈だから。

そして、そんな感情を抱く自分自身が嫌で、もう一度その口を塞ぐ。

放置したら、自分の口なのに余計な事を言いそうだから。

 

 

 

22/05/24()19:08:54No.931014548

「ん……、んぅ……、ぁ、ふ……」

甘くて、柔らかくて、湿っていて、とても可愛いマシュの唇。

さながらそれはチョコレートのように甘美で、何度でも貪ってしまいたくなる。

「ん……、ぷは……。魔力、どう?」

「はぁ……、はぁ……。前と、あまり変わらないと思います」

「そっか」

なら練習を続けないといけない。

何度でも、何度でも。彼女とキスをする形で。

不誠実で不正義で不正解で不成立なこの思いを、彼女に気付かれないように。ただ彼女がこれから受ける傷が1つでも減るように。いつか自分に対して鼻で嗤うくらい素晴らしい誰かと結ばれる日が来るように。

だからこれは愛じゃなく、だからこれは恋でもなく。ただ只管に彼女を傷付ける延命手段だった。

 

願わくば、あってはならない事だけれど、君との口付けがいつか愛によるものになって欲しいと、分不相応に思いながら、今日も彼女と唇を重ねる。

 

 

 

22/05/24()19:09:13No.931014647

5/23に乗り遅れたので急いで執筆

ぐだマシュは甘い恋愛より、どうしてか少し悲しい恋愛の方が映えてしまう自分が嫌だ

 

 

 

22/05/24()19:19:22No.931018046

甘酸っぱい……

 

 

 

22/05/24()19:43:46No.931027013

このネガティブ野郎め

マシュと合法的にキスできる事の何が不満だ

 

 

 

22/05/24()19:59:22No.931033360

人目なくばキスするだけの関係を1年くらい続けてほしいよね

 

 

 

22/05/24()20:01:47No.931034533

切っ掛けがどうあれ愛を感じたらそれは愛なんだ