19/10/16(水)22:51:59 No.631154608
とある微小特異点の探索中、「少し2人で話さない?」と私はマスターに呼び出された。
すでに日は落ち、他の仲間は洞窟の中で休んでいる。私とマスターは、洞窟の外で座って、星を見上げていた。
「あのさ、少し前にまじんさんが話した事、覚えてる?俺を見ると、その・・・・・・ドキドキするっていう話」
「ああ、覚えているぞ」
「あれ、今も続いてる?」
「ああ、続いている。だが、未だに原因はわからないままだ」
マスターは、若干顔を赤らめながら、話を続ける。
「実はね・・・・・・わかるんだ。まじんさんがそうなった原因」
「・・・・・・!本当かマスター!?教えてくれ、私はどうしてしまったんだ?」
「多分・・・・・・」
マスターは、一度言葉を詰まらせたが、呼吸を整え、再び口を開いた。
「多分、それは───恋、なんだと思う」
「こっ・・・・・・恋!?」
私は思わず取り乱してしまう。恋が何であるかは、他のサーヴァントのみんなから教わった。曰わく、私が茶々様や信長やエミヤ先輩達に対して思う「好き」とは違う、特別な「好き」。ただ一人の異性に対して抱く、特別な感情なのだと言う。
19/10/16(水)22:53:06 No.631154990
私が・・・・・・マスターに・・・・・・恋・・・・・・。
意識した途端に、恥ずかしさがこみ上げてきて、顔が真っ赤になってしまう。たしかにこれは恋と呼べるだろう。
「いや、ま、マスター。何故そんな事がわかったんだ?」
するとマスターは、私の手をとり、自らの胸に当てた。
「どう、分かる?俺の心臓、すごいドキドキしてるの、感じる?」
マスターの胸は、ドクドクと速く動いていた。
「俺、まじんさん・・・・・・沖田ちゃんの事が好きだ。沖田ちゃんと一緒に居るとドキドキするし、近くに居ると顔が赤くなる。だから、俺と同じなら、沖田ちゃんのその感情は恋だ」
なるほど、自分と同じ事が起きていたから、私の異常が恋だとわかったと。
・・・・・・!?つまり、マスターは私の事が・・・・・・!?
「マスターは、私の事が・・・・・・好き、なのか?」
「うん」
赤くなった顔で、私をじっと見つめ、マスターは力強く頷いた。
マスターは私が好きで、
私もマスターが好きで、
それは、とても嬉しい・・・・・・だが、
19/10/16(水)22:53:31 No.631155110
「いや、マスター、それはダメだ。私に恋をしてはいけない」
「・・・・・・どうして?」
「私は、いつ消えるかもわからない虚ろな霊器だ。いつかマスターの前からいなくなってしまう。私はマスターが大好きだ。だからこそ、もしそうなったら、私はとても悲しい。いつか私が消える時、マスターに同じ苦しみを感じてほしくない。だから・・・・・・」
私の言葉を遮るように、マスターは私の手を握りしめた。
「それは違うよ。沖田ちゃん・・・・・・」
マスターは再び呼吸を整える。
「俺はね、帝都で一緒に戦ったあの時から、沖田ちゃんが好きだったんだ。けど、その気持ちを話せずに沖田ちゃんは消滅しちゃって、俺、その時すごく苦しかった。好きだって伝えられずに、二度と会えないんじゃないかって。もう、同じ後悔はしたくない。例えいつかまた離れ離れになっちゃうとしても、今この時は、一緒に居て欲しい。それに・・・・・・離れ離れになったとしても、いつか必ず、沖田ちゃんを迎えに行く。カルデアのみんなの力を借りる事になっちゃうかもしれないけど・・・・・・なんて、無責任かな?俺自身、魔力もロクに流れてない、非力な人間だし・・・・・・」
19/10/16(水)22:53:47 No.631155200
私はマスターの言葉を遮るように、マスターに抱きついた。
「ありがとう、マスター・・・・・・。私は、とても幸せだ」
いつかこの霊器が燃え尽きる時が来るとしても、それまでの間は、マスターと共に、生きたい。それが今の私の願いだ。
「俺も、すごく幸せだよ、沖田ちゃん」
そうだ、こういう時になったら、マスターにしてみろと、ピンク髪の女王に教わった事がひとつあった。
「マスター、こちらを向いてくれ」
「いいよ、沖田ちゃ・・・・・・んっ!?」
私は、マスターの唇を奪った。
初めてのキスは、少し涙の味がしたが、とても───とても甘かった。
19/10/16(水)22:55:19 No.631155691
一応昨日の続きの沖田オルタ怪文書告白編
19/10/16(水)22:56:38 No.631156137
素晴らしい...
19/10/16(水)22:58:46 No.631156797 +
これはいい文明
19/10/16(水)23:00:44 No.631157400
好き...
19/10/16(水)23:03:31 No.631158433
マスターから告白するのちょっと意外
昨日の感じだとまじんさんから告白しそうだったのに
19/10/16(水)23:06:27 No.631159445
忘れがちだけど
沖田ちゃん設定激重だよね
19/10/16(水)23:08:07 No.631160014
尊いじゃん...
19/10/16(水)23:11:01 No.631161036
>ピンク髪の女王に教わった事
メイヴちゃんナイス
19/10/16(水)23:12:37 No.631161566
抱けーっ!抱けーっ!
19/10/16(水)23:18:06 No.631163386
>煉獄「抱けーっ!抱けーっ!」
19/10/16(水)23:12:44 No.631161603
怪文書というか
ちょっとした小説だコレ
19/10/16(水)23:12:54 No.631161661
あまぁい!!良いと思うんじゃが!!
19/10/16(水)23:14:07 No.631162099
実は近くで見守ってそうなぐだぐだ勢
19/10/16(水)23:16:05 No.631162727
糖分多いなぁ!
19/10/16(水)23:18:30 No.631163491
バレンタインはわりかし激重い勢の沖田ちゃんだ
19/10/16(水)23:20:48 No.631164196
>バレンタインはわりかし激重い勢の沖田ちゃんだ
なんか知らない沖田ちゃんとお話したの軽く衝撃だったよ
19/10/16(水)23:23:02 No.631164922
バレンタインの沖田ちゃんって
抑止力酷使ルートに入った未来の沖田ちゃん?
19/10/16(水)23:32:30 No.631167804
>バレンタインの沖田ちゃんって
>抑止力酷使ルートに入った未来の沖田ちゃん?
多分そんな感じじゃない?
19/10/16(水)23:36:37 No.631169259
ぐだぐだ勢の中でも屈指の激重設定だ
19/10/16(水)23:39:01 No.631169992
どれだけラブラブになっても
抑止力ルートが確定してしまってる
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劇作家! 悲劇なんて書くんじゃないぞ!!
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