1595770951943s

20/07/17()00:37:57No.709163806

【月齢:新月】

 

[ていうかもう寝よう]

→[夜の街に繰り出そうか……]

 

【どこに行く?】

[学校]

→[森]

[繁華街]

 

【誰を連れていく?】

[アルジュナ]

→[アタランテ]

[誰も]

 

 

 

20/07/17()00:38:13No.709163894

【アタランテを誘って森の前まで来た……】

 

「なるほど、魔獣が潜む森……か。確かに私がいなければ餌となっているのがオチだろうな」

美しい髪を靡かせて、獣の狩人がそう口にした。事実、“前回”は誰も連れて行かずにのこのこと乗り込んでしまい。無惨な目にあったものだ。正直あまり思い出したくはないが。

「そこらの魔獣なら私の相手ではないが……七不思議とやらの怪物を探すのだろう?身の安全には細心の注意を払えよマスター」

こくりと頷いて、視線を森へと投げる。“前回”はまだ月のかたちが残っていたが、今日は新月だ。月明かりのない森は前にも増して闇を孕んでいる。恐怖は残るが、“今回”は頼りになるサーヴァントがついている。二人で足並みを揃えて、一歩を踏み出した。

 

 

 

20/07/17()00:38:44No.709164062

「ふっ!」

Ru……r……」

一条の矢が闇を引き裂き、魔獣の命を奪う。森に入ってからかれこれ一時間は経過しただろうか。数えるのも億劫なほどの魔獣が襲いかかり、その悉くが彼女によって撃退されていた。

「さて、そろそろ中心に近づいてきた頃だとは思うが……マスターは大丈夫か?疲れてきてはいないか?」

大丈夫、と視線で答え、歩を進める。一面黒に塗られたような森も、彼女のおかげで迷わずに進むことが出来ていた。本当にありがたい。

「よせ、感謝されるようなことではない。それよりも……来たぞ、ここが中心部だ」

急に視界が開け、木々のない広場が目の前に現れる。広さはテニスコートの半分ほどだろうか。濃密だった魔獣の殺意もここではほとんど感じられない。

「ふむ……怪物がいるならここだろうと思ったが……あてが外れたか?」

ハズレなら早めに帰った方がいいだろうか。そう思い広場の中央から視線を外した──その刹那。

『ニ』『ン』『ゲ』『ン』『ダ』

 

 

 

20/07/17()00:39:33No.709164305

「!!!マスター!下がれ!!」

広場の奥、闇に沈んだ森の中。そこに。

『ニンゲン』『モリ』『カエレ』『ワタシ』

『フミイルナ』『ニクイ』『ダレダ』『イタイ』

「なんだあれは……。あれが、七不思議の怪物……?」

『シネ』『マモル』『テキ』『コロス』

『タスケテ』『■■■■』『ボク』『モリヲ』

木々の隙間に、隠れるように。

『ユルサナイ『マモル『ニクイ『■■■■『コロsuuuuuRrrrrrrAaaaaaaaaaa!!!!』

森を揺らす咆哮。闇に紛れ、膨大なちからを秘めたなにかが、こちらへ純然たる殺意を向けた瞬間。

「逃げるぞ!マスター!」

自分を担ぎあげ、森の中を疾風のごとく駆ける狩人。あらゆる障害をものともしない彼女の全速力によって、広場が瞬く間に遠ざかっていく。その一瞬のうちに──見てしまった。

天を衝く巨躯と、それを覆う禍々しい七色の光を。

 

 

 

20/07/17()00:39:49No.709164400

New!

【七不思議『森の怪物』が更新されました】

とてつもないなにかが潜んでいた。アレの正体を探らなくてはならない。

 

 

 

20/07/17()00:41:06No.709164771

ねえやっぱりこの森ってレバノン杉じゃ…

 

 

 

20/07/17()00:44:05No.709165715

フワワ…?





20/07/26(
)21:38:47No.712157498

【月齢:満月】

 

深夜の森は、煌々と輝く月の光に照らされほんのりと明るい。周囲からは月光を反射して、爛々とした魔獣たちの瞳が殺意と──そして怯えと共にこちらを見やっている。

『なんで襲ってこないのかな……』

「俺に恐れをなしてるんだろ。なんたって俺だからな!」

そう嘯き、マスターを連れて森の中を進んでいく。さっき言ったのは半分本当で、半分嘘だ。確かに俺はあらゆる獣を狩り尽くすとまで言われたが、それだけで魔獣たちの殺意は衰えないだろう。魔獣が真に恐れているのは、森の奥に潜む『森の怪物』──マスターが言うには、あのフワワの贋物だという──だろう。

 

 

 

20/07/26()21:39:12No.712157673

『でも、おかげで消耗しないで中心まで行けそうだね』

「確かに少しでも力を残せるなら万々歳だけどよ……ここまで楽だと拍子抜けだし、何頭か狩っていい?」

『ダメだよ。オリオンに無駄なことはさせられない』

「ちえー」

などと軽口を叩きあっていると、不意に視界が開ける。森の中心部にある木々のない広場。昼になら何度も訪れたが、夜は始めてだ。遮るもののない月の光が一帯を明るく照らして──不意に、ソレは聞こえた。

『──── ────────── ── ────── ──── ────』

「…………!!!!」

『来た……!』

地を揺らす怨嗟の叫び。木々の奥から姿を現す巨躯と、それを覆う七色の光。見た瞬間、肌で感じ取った。──アレは、今まで出会った中で最強の獣だ。

 

 

 

20/07/26()21:39:46No.712157905

「マスターは下がってろ……」

『うん……』

GurrrrrrrrrrrrrrrAaaaaaaaaaaaaa!!』

獣の拳が振るわれ、咄嗟に両腕を掲げて身を守る。途方もない衝撃が全身を貫き、踏ん張った両足が地面を抉る。

「おおっ……らぁっ!!」

拳の勢いを殺しきったところで、全力で巨体を弾く。獣が体勢を崩した瞬間、一気に踏み込み、実体化させた棍棒で無防備な脇腹に一撃!しかし──

「かっ……てえなあ!」

七色の光に阻まれ、攻撃が通らない。話には聞いていた『七つの光輝』、あの天の楔の攻撃すら容易く弾く無敵の護り。まさかこれほどとは……!

 

 

 

20/07/26()21:40:04No.712158052

『オリオン危ない!』

Gaaaaaaaaa!!』

「やべっ!」

伸ばされた獣の腕を間一髪で避ける。一度でも相手に掴まれればそこで終わり。

「なら……これならどうだ!『我が矢の届かぬ獣はあらじ』!!」

弓を構え、宝具を解放する。ほとんど同時に放たれた三本の矢は、狙いと寸分違わず獣に迫り、そして光に阻まれることなく獣の身体を穿った。

Ru……!?』

「よし、宝具を使えば通る!マスター、このまま宝具を使い続けながらいくぞ!」

『了解!魔力全部持っていっていいよ!』

その言葉と共に、マスターから送られる魔力が増大する。しかし宝具を解放しながら戦えば、負担は相当なものだろう。短期決戦で決めなければなるまい。

「よっしゃあ!まだまだこっからだぜ!」

Gu……rrrr……Aaaaaaaaaaa!!!!』

 

 

 

20/07/26()21:43:36No.712159593

書いてたら思ったより長くなったので二つに分けます

 

 

 

20/07/26()21:46:29No.712160726

獣にはオリオンぶつけとけばいいよねっていう安心感がやっぱりあるよね

 

 

 

20/07/26()21:57:53No.712165928

対獣要員として喚ばれるグランドだからな…

 

 

 

20/07/26()22:42:31No.712186992

「よい、しょお!!」

Ruaaaaaaaaaa!!』

拳と棍棒がぶつかり合い、放たれた衝撃波が木々を大きく揺らす。獣が後ろによろめいた、その隙に放った矢は獣の身体に吸い込まれるように中る。

「どんだけタフなんだよこいつは……!」

自身の宝具によって確実に攻撃は当たるし、獣の体力を間違いなく削っている。しかし、獣の暴威は全く衰えない。それどころか、勢いを増してすらいる。

 

 

 

20/07/26()22:42:58No.712187214

『オリオン!』

「マスター、下がってろって!」

安全な場所にいたはずのマスターがいつの間にか近くまで来ている。思わず語気を荒らげるが、マスターは首を振り、右手を掲げた。そこにあるのは──令呪。

『令呪を持って命ずる──オリオン!あの獣を討ち倒せ!!』

令呪が一画消費され、同時に自分の身体に凄まじい量の魔力が漲る。既に大量の魔力を消費して辛いだろうに、気丈にこちらを見つめている。

「分かった……一気に決めてやる!」

 

 

 

20/07/26()22:43:27No.712187441

マスターの覚悟に頷いて、再び獣と相対する。頭上には、美しい満月が。

「────我が宿命、月女神に請い願う。肉体に剛力を、精神に冷徹を、そして我が運命をここに定めよう」

Gaaaaaaaaaaaa!!!!』

獣が迫る。振り上げられた拳は間違いなく必殺の一撃。だが、俺にはマスターと

「『月女神の無垢な愛』!!……さあ、月の果てまで吹っ飛びなあ!!!!!」

なによりも、アイツ(アルテミス)がついている!

 

 

 

20/07/26()22:43:49No.712187592

轟音。激震。地に伏せる獣。七色の光は輝きを喪い、その霊基は急速に霧散していく。

『オリオン、やったね!』

「ああ。……だけどどうやら、ここまでみたいだな」

『それって……』

獣と同様に、自分の霊基も少しづつだが解けていく。カルデアでアルテミスから貰った山盛りの祝福の代償だ。

「なあに心配すんな。先にカルデアに戻って待ってるだけだからよ。……だから絶対、戻ってこいよ」

『うん────ありがとう、トライスター』

「へっ、ここでそれはズルいぜ。マス────」

 

 

 

20/07/26()22:44:06No.712187724

―――――――――――――――――――――――――

 

キラキラと、輝く金色の光となって立ち昇る彼の霊基。それを追って空を見上げると、彼女の象徴たる月が、まるで彼を抱き締めるように……。

 

 

 

20/07/26()22:44:25No.712187853

New!

【七不思議『■■の守護者』を解決した!】

これで森は安全になった。同時に、何か変化がこの特異点に現れるはずだ。それを探そう。

 

New!

【アーチャー・超人オリオンが特異点から退去した】

これから先、この特異点で彼の力を借りることは出来ない。

 

 

 

20/07/26()22:45:08No.712188147

カッコいいオリオンを書きたかった

 

 

 

20/07/26()22:46:44No.712188846

最期までかっこいいのがずるい…

女神も惚れる

 

 

 

20/07/26()22:47:55No.712189378

やっぱりオリオンはカッコいいな

 

 

 

20/07/26()22:51:44No.712190951

>うん────ありがとう、トライスター

むぅ…ここでそう呼ぶか

 

 

 

20/07/26()22:59:09No.712193730

>>うん────ありがとう、トライスター

>むぅ…ここでそう呼ぶか

アトランティスでのトライスター呼びが本当に好きなので絶対に入れたかった

 

 

 

20/07/26()23:02:11No.712195042

>アトランティスでのトライスター呼びが本当に好きなので絶対に入れたかった

そういう拘りも分かるな絶対外せないポイントはある

 

 

 

20/07/26()22:55:09No.712192297

カッコいい姿見たくて怪文書書くのは分かるよ…

 

 

 

20/07/26()23:31:10No.712207123+

>彼女の象徴たる月が、まるで彼を抱き締めるように

いい…