20/07/17(金)23:01:22No.709393718
……マスター、誰も伴わず一人で何処へいくおつもりですか。夜、一人で出歩くのは危険だと私だけではなく様々なサーヴァントから言われていたはずですが。
『……これは自分の問題だから』
……記憶の欠落についてですか。
仮に、ですが。その記憶がもし──思い出さない方がマシだった、そう思うような記憶だとしても取り戻したいですか?
『うん』
……分かりました。でもそうしたいならそうしたいで何故私や他のサーヴァントを伴わず行こうとしているのですか?
『個人的な問題だし……』
他人を巻き込みたくないから一人でなんとかしようとしたと。そう思うならもっと上手くやる事ですね。で、私に見つかってしまいましたがマスターはどうしますか? そのまま帰りますか? それとも……。
『行く』
即答ですか。その意志の強さは結構。ですが、意志だけではままならない事象も世の中には沢山あります。……鈍いですね。私を連れて行きなさい、と言っているのです。
『……驚いた。てっきり止められるのかと思った』
止めたってあなた言うこと聞くような性格してないでしょう。ならば私が付いて行った方が話が早い。では、行きましょうかマスター。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
20/07/17(金)23:01:43No.709393834
『……静かだね』
そうですね。いっそ不気味なくらいに。マスター、どうか私のそばを離れぬよう。何が起こるか分からないなかで分断されたら流石に私でも──。! 何か来ます! マスターは後ろに下がって! それにしても見覚えのないサーヴァントだ……。
『あ、れは』
マスター! 援護をお願いします!
『わ、分かった! 礼装起動──瞬間強化!』
射貫け! 炎神の咆哮!
無事に倒せましたが……初めて見るサーヴァントでしたね。マスター? どうしましたか? ……顔色が悪い。今日は一旦帰って休んだ方が。
『本当に忘れちゃったの!? あれ、マンドリカルドだよ! あれ、なんでマンドリカルドが──』
マスター、落ち着いて下さい。マンドリカルド、というのは……マスター?
『! アルジュナ、危ない!』
20/07/17(金)23:02:39No.709394154
リツカ! 何故サーヴァントである私を庇うような……! ? 敵が攻撃をしてこない……? 良く分かりませんが好機です。このまま離脱します! マスター、舌を噛まぬように!
無事に離脱できましたが……。リツカ、どうやら私達は話し合わなければいけないようだ。何故マスターであるリツカがサーヴァントである私を庇うような真似をしたんですか。
『あ、アルジュナさーん……。あの、壁にヒビってか穴が……』
そんな事今はどうでもよろしい。
『その、思い出して……』
思い出したのですか。それは良かったです。……なるほど。私達はマンドリカルドという人物に関しての記憶が欠如していて、マスターは夜の校舎であのサーヴァントと出会った時にそれを思い出したと。そこまでは理解しました。しかし、それとマスターの行動との関係性が見出せないのですが?
20/07/17(金)23:03:49No.709394520
『えっと、思い出して……。それで自分はまた庇われるだけなのか、また居なくなるのかと思ったら凄く嫌で……つい』
彼とあなたの間に何があったかというのは無理には聞きませんが……。つい、で庇うのですかあなたは……。何故か攻撃してこなかったので事なきを得ましたが……一歩間違えていたら死んでましたよあなた。無闇に命を投げ出すような真似は二度としないでください。……は? なんですかその目は。『君が言うな』? 何を馬鹿な事を……。
ああ、そうだ。敵があなたに攻撃しようとした際に何か光ってて……それに弾かれたように敵が攻撃をやめたように見えたんですが……。あなた、何か持ってますか?
『えっ、スマホと財布ぐらいしか……』
スマホの光とは違いましたね……。もっと淡い感じの……。
20/07/17(金)23:04:47No.709394829
『あっ、もしかしてこれ……?』
これは……、白い蓮の花弁?
『なんかこれ何日経っても萎れたりしないんだよね』
……どこか懐かしさと温かさと……優しさを感じますね。何故でしょう……。はい、お返ししますね。ところで何故財布に?
『大切なものだからとりあえず財布に』
今回はそれに救われましたけど……。その、財布の中整理しませんかこれ……。
20/07/17(金)23:06:52No.709395517
ルート分岐
「リツカ!」
──一瞬何が起こったか分からなかった。ただ、倒したはずの敵がもう一度立ち上がり、私に向かって剣を振り下ろそうとしたのを──リツカが庇ったのだ。ビチャ、という水っぽい音と共に鉄臭い液体が私の顔にかかる。無慈悲な剣の直撃を受けたリツカは糸の切れた人形のようにその場に崩れ落ちた。敵サーヴァントはその場に倒れ伏したリツカを無造作に踏み越え、こちらへと向かって来る。
「ふざ、けるな!」
近距離での一撃。当然並のサーヴァントの霊基で耐えられるはずもなく、今度こそ黒い塵となって消え失せる。今、こんなものに構っている暇はない。
「マスター! リツカ! 目を覚まして下さい! リツカ! 藤丸、立香!」
呼びかけるが、ぐったりと目を閉じたままリツカは反応を返さない。ぜいぜいという喘鳴が聞こえるくらいだ。頭の傷の止血を試みる私の衣服が血で赤く染まっていくが……構うものか。
20/07/17(金)23:07:15No.709395650
「マスター! リツカ! 大丈夫ですから、すぐ病院に……」
……一向に反応を返さないマスターに呼びかけながら、心の片隅で冷静な自分が『マスターはもう助からない』と告げていた。
(うるさいうるさいうるさいうるさい!)
雑念を振り払うように、ただ走る。その最中にもマスターの身体がじわじわと冷たくなっていくのを感じる。肌色は青白いを通り越してもはや紙のような白さだ。
「大丈夫ですから……私が、」
DEAD END
リンネ
1日目に戻りますか?
はい←
いいえ
20/07/17(金)23:08:38No.709396161
遂にアルジュナでもデッドエンドか…
20/07/17(金)23:09:47No.709396538
今年の夏休みは命が小石みたいに軽い
20/07/17(金)23:11:13No.709397063
これまでも割と気軽に死んでた気がするが気のせいか
020/07/17(金)23:13:37No.709397860
>DEAD END
>リンネ
輪廻繰り返しすぎて神ジュナ化したりしないよね…?
20/07/17(金)23:17:51No.709399371
>「大丈夫ですから……私が、」
>リンネ
私が、…やり直すのか
20/07/17(金)23:34:33No.709405065
>今年の夏休みは命が小石みたいに軽い
imgの怪文書書き「」は曇らせ隊多いしイキイキしてそう
20/07/17(金)23:39:14No.709406572
マスター殺ししそうにない鯖に殺らせると最高にタノシクなってくるぞ
20/07/17(金)23:58:22No.709412481
>これまでも割と気軽に死んでた気がするが気のせいか
少なくとも前回の夏休み怪文書は大して死んでないし全体的に明るめ
初回夏休み怪文書も死んだとかこれしたらデッドエンド的なのは示唆されてたが特に死んだ風な描写は無い
今回はマンドリカルド怪文書からデッドエンド多発しまくってる
20/07/18(土)23:04:00No.709698890
──コンコン、という軽いノックの音で目が覚めた。なんだか身体が怠くてたまらないし、頭は殴られたようにガンガン痛む。
コンコン、とノックの音はまだ続いている。正直、その音ですら頭に響く。自分のものじゃないような重怠い体をなんとか起こし、壁伝いにドアへと向かう。普段なら容易に開けられる鍵に苦戦してなんとかドアを開けると、そこに立っていたのはアルジュナだった。
(……なんだっけ、なんか約束……あ、勉強見てもらうって……)
「遅いです」とでもいいかけたのだろうアルジュナはしかし、ぎょっとした様な表情でこちらを見つめている。
「マスター? 大丈夫ですか? 顔色が……」
大丈夫、と言いかけてぐらり、視界が揺らぐ。酷く焦っている様子のアルジュナの声を耳にしながらそのまま視界が暗転した。
20/07/18(土)23:04:29No.709699078
「……目が覚めましたか」
次に目が覚めた時、ほっとしたような顔のアルジュナと目があった。
「あれ、なんで……」
「あの後倒れたんですよあなた」
「たお、れた?」
「本当にびっくりしたんですから……。まあ、診断の結果はただの夏風邪だったんですけど。栄養をとってきちんと休養すれば治るそうです」
飲みますか? とアルジュナはスポーツドリンクのペットボトルを差し出してきた。ご丁寧に蓋が外されたそれを受け取り、喉に流し込む。……思ったより喉が乾いていたようで一気に半分ほど飲み干してしまった。ぼんやりしていた思考が冷たい液体で少しクリアになる。
「貸してください」
そう言われたのでペットボトルをアルジュナに渡すと、彼はそれを蓋を閉め枕元に置いた。
「寮母さん達にはすでにマスターが体調を崩している事を伝えました。あとで見回りに来るそうです。何かありましたらそちらでも、私でもいいですから連絡してください」
枕元にスマホを置きながらいいですね? と
念押ししてくるアルジュナに黙って頷く。
「……他人がいては休めないでしょうし、私はこれで」
20/07/18(土)23:06:19No.709699856
おやすみなさい、と告げて立ち去ろうとするアルジュナの服の裾を咄嗟につかんでしまったのは、殆ど衝動的なものだった。……ただ、体調を崩して酷く心細かったのだ。引き止められたアルジュナはきょとんとした顔でこちらを振り向く。
「……マスター?」
「……な、なんでも、ない……」
酷く恥ずかしい事をした気分になって、おずおずと指を離す。……子供っぽいと笑われるだろうか。恥ずかしくなって、タオルケットを頭の上まで引き上げて顔を隠した。
はぁ、と軽いため息が聞こえてきて、思わずびくりと肩が跳ねる。呆れられたのかもしれない。続いてごそごそ、と何かを取り出すような音がする。恐る恐るタオルケットから顔を出すと、彼は鞄から勉強道具を取り出し机の上に置いていた。
20/07/18(土)23:06:38No.709699991
「え、だって、かえるって……さっき」
「一人の方が休めると思ったのですが……。あなたが酷く心細そうな顔をしていたので。私はここにいますから」
ゆっくり休んでくださいね、柔らかい口調で言われ、幼子のように「うん」と頷く。
「よろしい」
彼はそう言うと、ノートに目線を落とす。サラサラとノートの上をシャーペンが走る音が心地良くて、そのまま意識がゆるゆると溶けていった。
20/07/18(土)23:09:25No.709701155
気が済むまで一緒にいてくれるんだろうな…
20/07/18(土)23:09:36No.709701249
察しのいい最高のサーヴァント…
20/07/18(土)23:23:18No.709707158
布団がはだけてたらそっと掛け直してくれるんだ…
20/07/18(土)23:36:19No.709712318
学園生活送っててもこういう時はパパジュナ…
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