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20/03/11()22:46:38No.670330278

「はくのーん!」

放課後、教科書を片付けていると聞き慣れた声が聞こえた。

振り向くと明るい笑顔の少女が立っている。

 

「どうしたの立香」

「一緒に帰ろうかなって」

「いいよ。ちょっと待ってて」

 

藤丸立香。得意科目は国語と英語、苦手科目は社会。明るく元気でクラスの中心にいつも居る少女だ。そして、私の数少ない友人の一人でもある。

 

「今日バレー部はどうしたの?」

「日曜日が試合だったから今日は休みなんだよねー」

 

 

 

20/03/11()22:47:05No.670330436

立香は明るく元気で誰とでも仲がいい。狭い人間関係で完結してしまいがちな自分と比べると、その知り合いの数は雲泥の差だろう。

部活も違う、相手は友人も多い。だから、一緒に帰るのは久しぶりだ。

帰り道、近場のコンビニで棒アイスを買って食べ歩きをしている彼女を横目にふと思う。

 

「立香って変な知り合い多いよね?」

「……………はくのんに言われたらお終いだと思う」

 

心外である。失礼である。

 

「いやいやいや、はくのんの知り合いにキンキラフハハの人とかいるじゃん」

「立香の知り合いには真っ黒クハハの人がいるでしょ」

 

お互いに全力で失礼であった。でも変な知り合いと言われて否定できないあの二人が悪いと思う。うん、悪い。

 

 

 

20/03/11()22:47:49No.670330737

「色んな知り合いがいるのは知ってるけど立香って気をつけた方が良いよ」

「気をつけるって何を?知らない姉や母が増えてること?」

「いやそれも普通に怖いけど……そうじゃなくて『夜の街で50代ぐらいの紳士をパパって呼んでたのを見た。あの子絶対遊んでるよ』なんて噂が聞こえてきたから大丈夫かなって……」

「……………………ウン。キヲツケルネ」

「……………………話を変えよっか」

「待って!言い訳させて!違う!説明させて!」

 

気軽───あまり気軽ではない雑談をしながら歩いていると1つの店が目に入る。

 

 

 

20/03/11()22:48:25No.670330963

「あっ!エミヤさんの喫茶店開いてる!」

「………………エミヤ」

「うん。エミヤさん」

 

へー。私が一人で来た時に聞いたら『態々名乗る名前など無いよ。喫茶店の店主でも無銘でも好きに呼んでくれ』なんて言ってたのに立香には名乗るんだ。へー。ふーん。

 

「あの……はくのん何か怒ってる……?」

「別に。まったく。全然そんなことないけど?」

「はい、ごめんなさい」

 

何故か怯えている立香に連れて喫茶店へと向かう。でも入る前に手鏡で前髪を整えて、ちょっとハンカチで汗を拭いて……。

 

「乙女だ……乙女がいる……」

 

うるさい。

 

 

 

20/03/11()22:49:24No.670331309

─────準備が完了したので扉を開く。

 

「へーい!エミヤさん居ますかー!」

「………こんにちは」

 

「良いかね?君はこんな所で油を売ってないで帰りたまえ」

「良いじゃない別に。ここのパンケーキが食べたい所だったのよ」

「……………はぁ。家に帰ったら作るからそれで勘弁して貰えないだろうか?」

「今!ここで私が食べたいのよ!」

「君は相変わらずだな─────ああ、白野に立香、いらっしゃい」

 

───────気安い会話をする美少女。

───────家に帰ったら作る。

───────相変わらず。

 

 

 

20/03/11()22:49:53No.670331518

「よし、さようならエミヤさん。また来ますね」

 

逃げようとした横の友人の手を掴む。

 

「あの、はくのんさん…?私はマイフレンドと遊ぶ約束をしてたような気がしてきまして……」

 

滲んだ目を擦りながらも、決して手を離さない。でも、擦っても擦っても視界は滲み続ける。

ああ…………なんで滲むんだろう。

 

 

 

20/03/11()22:50:20No.670331668

「…………………エミヤさんが女子高生を泣かした」

「いきなり不名誉な出来事を擦り付けてくるのは止めてくれないか…!?」

「え?アンタまさか…!そんな…!」

「凛も何を思ったのか知らないがそれは違うと断言しよう!」

「……………………………私じゃ、だめなの?」

「白野、君は一度落ち着くべきで────」

「やっぱりアンタ女子高生に手を出してたのね!?擦れてて枯れてるんじゃないかと思ってたけど……そんな、最低よ!」

「待て、私の話を─────」

「エミヤさん酷いよ……信じてたのに……!」

「立香!君はもしかしなくてもわざとだな!?」

 

───────ここから先は語る気は起きない。

今日の放課後は、ただで美味しいパンケーキと紅茶が飲めた、とだけ述べるとしよう。

 

 

 

20/03/11()22:51:35No.670332163

ぐだ子とザビ子の学パロ怪文書です

オチに困ってエミヤさん出したのは否定しない

 

 

 

20/03/11()22:51:28No.670332120

爆ぜてエミヤ

 

 

 

20/03/11()22:52:50No.670332660

エミヤを主人公のIFと数えるなら歴代主人公三人か…

 

 

 

20/03/11()22:59:27No.670334994

 

 

 

20/03/11()23:11:46No.670339500

元気な女の子とクールな女の子いいよね…

 

 

 

20/03/11()23:12:12No.670339669

ぐだ子はマシュ筆頭に男からも女からも選べる側だから強いなと思う

 

 

 

20/03/11()23:14:14No.670340444

大人しい友人を引っ張る快活なりっかちゃんと大人しいけど突発的にとんでもないことしだすはくのんでバランスもいい

 

 

 

20/03/11()23:16:53No.670341369

エミヤを中心に凜が混ざるとこう…色々やばい

 

 

 

20/03/11()23:32:17No.670346333

修羅場…

 

 

 

20/03/11()23:43:54No.670349613

いい…