19/09/02(月)21:43:19 No.619776145
「【
「リッカ!早く起きてください!遅刻しますよ!」
私の声にドタドタと廊下を走る音が響く。いつもより少し遅い時間、家から学校まで10分、ゆっくりするなら20分前には出たいが、出る時間はキリギリになるだろう。
「ごめんスルーズ!」
「いいから早く食べてください、私は準備をしておくので」
2人分のお弁当を用意して、彼の分の教科書や筆記用具もきちんとバッグに詰める。お互いに学校指定のスクールバッグだが、おそろいのストラップをつけることくらいなら問題にはならない。
19/09/02(月)21:43:58 No.619776392
「いこうスルーズ!」
「少し待ってください・・・もう、身だしなみはきちんとしてください」
「ご、ごめん」
「いいんです。いつものことですから」
彼のネクタイを締めて襟も綺麗ににそろえる。男性というのはあまり身だしなみに頓着がないのでしょうか?いえ、おそらくは彼がそういうのに疎いだけなのでしょう。
彼が交通事故で記憶を失ってからひと月、幼馴染である私は彼の失った記憶を取り戻すために奮闘した。結果は芳しくなく、心労のため彼の母親は入院、父親も仕事と母親の看病に忙しく、彼と彼の両親が顔を合わせるのは決まって病室の中だった。
記憶を失った彼に一人で生活するというのは酷なことだ。だから私は彼の世話を買って出たのだ。1日でも早く彼の記憶が戻るように、そして、たとえ記憶を失っていても私だけは覚えておいてほしい、そんな後ろめたいことを胸の内に仕舞ながら、私はいつも通りの日常を過ごす。
その時の私と彼は、彼が記憶をなくした元凶と対峙し、あまつさえ世界の命運をかけて戦うことになるとは思いもよらなかったのです。
】
ねぇスーちゃん、これなに?」
19/09/02(月)21:44:14 No.619776519
「(スーちゃん?)刑部姫は漫画が描けるとマスターから聞いたので、これをもとに描いていただけないかと」
「待って!待って!これ多分・・・いや絶対に序章だよね!?どれだけあるの!?」
パラパラと原稿用紙をめくる刑部姫の手が早くなる。彼女の手には単行本1冊分に相当する原稿用紙が乗り、その隅にはクリップでまとめられた同様のものがいくつか置いてあった。
「まだストーリーの中ほどですが、単行本サイズで5巻ほどですね」
「ううー!・・・き、期待してくれるのはう、うれしいんだけど・・・姫にはちょっと荷が重いかな~って・・・」
19/09/02(月)21:45:10 No.619776869
「そうですか・・・かつてマスター達は1週間も経たずに『どうじんし』を描き上げたことがあると伺ったので、私にもできるかと思ったのですが・・・」
「いや、スルーズ氏スルーズ氏、これ下手に漫画化せずにそのまま単行本として売った方がいいですぞ?」
「そうなのですか?」
刑部姫の横で同様に原稿用紙をめくっていたエドワード・ティーチがそう助言をする。
「Yes!拙者海賊だから嘘はつくけど、宝物を泥で汚すような真似はしないですぞデュフフwww。まぁ真面目に言いますとな、その本に合わせた挿絵なり表紙なりを描いて、しかるべきところに持って行って製本していただければいいと思いますぞ」
「しかるべきところ・・・カルデアのスタッフの方に聞けばいいと?」
19/09/02(月)21:45:31 No.619776986
「ノンノン、そのあたりの伝手はお任せあれ。あ、あとですな、品評をもらいたいなら作家勢に持っていくのはダメですぞ?」
「アンデルセンとシェイクスピア、紫式部もですか?それはなぜ?」
「なぜって・・・それは・・・」
「そりゃおめぇ、あいつらに見せたら絶対に原型がなくなるぞ?見た感じ異能バトル青春ものだったから、あいつらにゃあわねぇだろうよ。それよかちびっこのほうがよっぽどましだ。あ、でもちびっこに持っていくなら製本してからにしろ、絶対に作家勢に見せびらかすからよ」
「わかりました。ありがとうございます」
19/09/02(月)21:46:00 No.619777184
「では後で連絡しますぞ~。さぁて、忙しくなりますぞ~」
「黒髭氏楽しそうだね」
「そりゃおっきー殿は漫画家ですから、拙者はしょせんアドバイザー、でもやるからには全力を尽くしますぞ~」
「う~ん・・・ファンアートでも描こうかな・・・」
「いいのでは?スルーズ氏は絶対に喜びますぞ~」
「喜んでくれるといいな~」
19/09/02(月)21:46:33 No.619777398
みたな同人誌が欲しい
エロ抜きで
19/09/02(月)21:54:39 No.619780217
ほう…ワルキューレの妄想垂れ流しですか…
これはいいものですね…
19/09/02(月)21:54:46 No.619780257
やさしい世界…
コメント
コメント一覧 (23)
アリエス
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アリエス
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普段はバカップルだけど戦闘になるとカッコいいよな
アリエス
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こうして今日も、俺はいつもと変わらない日常を歩んでいく。彼女と共に」
……と、ラストは私とマスターが手に手を取って歩み去っていくハッピー・エンドで。何でしたら、続編で二人の子供を―――。
ミス両儀? 先程から怒りとも恥ずかしさとも着かぬ顔色ですが、何か?
アリエス
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アリエス
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アリエス
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アリエス
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日常を送っていたある日主人公が戦いに巻き込まれて、それが失われた記憶に関わるもので、厳しくも導いてくれる新ヒロインが出てきて、主人公も読者的にも本命そっちになっちゃうやつ
ルート分岐しないと日常の象徴系ヒロインはレースの負けフラグ立ったままなのよね
アリエス
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アリエス
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アリエス
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アリエス
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