1562598784268

19/07/22()22:09:59 No.608772147

夕暮れの縁側。そこにリリィはいた。いつも元気いっぱいな彼女だが、今は何をするでもなく、縁側に座って足をぱたつかせているのみである。地平線に沈みゆく夕陽が、金糸よりも美しい彼女の髪と、あまり見ぬ物憂げな表情を照らし出し、そこいらの絵画よりも美しい芸術を生み出していた。

「――――ああ。お帰りなさい、マスター」

その鈴の音のような美しい声に、ふと我に返る。どうやらあまりの美しさに惚けてしまっていたようだ。これではいけない、彼女にこんな締まりのない顔は見せられない。俺は努めて平静に返事を返す。

「ああ、ただいま」

「今日の予定は森さんとジークさん、以蔵さんと一緒に秘密基地づくりでしたか。どうです、良いものができそうですか?」

「うん、割とね」

そうして会話するといつものリリィだ。でも俺は、どうしてもさっきの表情が忘れられないでいた。

 

 

 

19/07/22()22:10:19 No.608772271

俺たちは冬木から共に戦ってきた。マシュが守り抜き、リリィが切り拓く。そうして数多の危機を乗り越えてきた。今ではマシュと同じで、俺が最も信頼を預けられる人だった。

だからこそ、気になる。普段の戦闘では全く役に立たない身だ。だからこそ、こういう時ぐらいは彼女たちの役に立ちたかった。

「何か悩み事?少し物憂げな顔をしてた」

彼女に悩みを聞くときは、回りくどく聞くのではなく、直球勝負。自分が未熟だと思っている彼女はこう言う時なんでもないように取り繕う。だから、まっすぐ聞いた方が彼女もしっかりと答えてくれる。

「私、この特異点に来てから、毎日がとっても楽しいです」

「うん」

「メルトリリスさんと、種類は違うけどダンスを教えあったり。アナスタシアさんと水をかけあって、ふざけあったり。森さんたちと、いろんな生き物を捕まえたり。――――マスターと、一緒に過ごしたりして」

「俺も、すっごく楽しいよ」

「でも。……でも」

そう、一息を置くと、彼女は俯いてしまう。

 

 

 

19/07/22()22:10:44 No.608772464

「私、思うんです。世界はいまだに危機に瀕していて、この身はまだまだ未熟な騎士で。修練に励まず、遊んでしまっていていいのかって」

彼女は真面目だ。素直で、純朴で、誠実で、実直だ。こんなところで立ち止まってしまってていいのかと、もしかしたらこの特異点に来てからずっと思い悩んでいたのかもしれない。

でも。

「――――いいんじゃないかな」

「……え?」

「別に休んだって、途中で少し遊んだって。休息も戦士には必要だって、誰かが言ってた」

「……でも……」

「それに……」

それに。

「俺も少し、疲れちゃったから」

「あ……」

そういって、彼女に笑いかけてみる。笑った、つもりだった。自分に自信はあまりない。

「だからさ。ひと夏の間、ここにいるときぐらいは、ゆっくりして。そうしたら、また立ち上がろうよ」

卑怯な自分が嫌になる。こうして弱みを見せてでも彼女を休めようとする自分に。ここに縋りつきたいと思ってしまう自分に。彼/彼女たちから、目を背けようとする自分に。

でも、自分が傷ついてでも、自分を嫌いになってでも、彼女は守り抜きたい。だって、それほど、彼女のことが大切だから。

 

 

 

19/07/22()22:10:57 No.608772540

「…………そうですね。ゆっくり休んで、そうしたら、また明日からめいっぱい遊びましょう!」

ああ、なんて情けない。このざまでは守るだなんて到底言えない。自分の無力さに打ちひしがれる。

でもよかった。君が笑顔になってくれて。こんなにも喜ばしいことはない。

ああ、だって。

「ふふっ。じゃあ、明日は何をしましょうか、マスター!」

立ち上がって夕陽を背に笑いかけてくるリリィ。逆光だが、まったくもって気にならない。なぜなら。今この瞬間は、君の笑顔こそが、世界で一番眩く輝いているのだから。

 

 

 

19/07/22()22:12:05 No.608772956

夕暮れにあった、とある会話。

大丈夫。少し休んだら、また歩き出せるから。

俺とリリィとマシュ、三人で一緒なら。

 

 

 

19/07/22()22:13:21 No.608773375

君は太陽よりも輝いてるぜベイベー

 

 

 

19/07/22()22:15:40 No.608774203

リリィの怪文書どんどん増えろ

 

 

 

19/07/22()22:17:21 No.608774801

リリィとマシュは最初からずっと一緒だからな…

 

 

 

19/07/22()22:17:29 No.608774843

短い怪文書は手軽に書けるから楽でいいな

 

 

 

19/07/22()22:18:13 No.608775108

>短い怪文書は手軽に書けるから楽でいいな

ええ…ちょっと量の基準狂ってきてない?

 

 

 

19/07/22()22:19:29 No.608775563

>ええ…ちょっと量の基準狂ってきてない?

うん、自分でもやばいと思ってる

これ1500字弱あるけどノルマの半分いってないもん

 

 

 

19/07/22()22:18:57 No.608775368

いや書いてると1000文字くらいになるぞ

 

 

 

19/07/22()22:18:25 No.608775173

>リリィとマシュは最初からずっと一緒だからな…

白と黒

剣と盾でバランスもいい

 

 

 

19/07/22()22:22:03 No.608776507

怪文書って書いてるとどんどん長くなってなぁ……

 

 

 

19/07/22()22:26:42 No.608778299

>俺とリリィとマシュ、三人で一緒なら

分かってるんだったら早く招待してください

私は今理性を欠こうとしていましゅ

 

 

 

19/07/22()22:28:19 No.608778935

>>俺とリリィとマシュ、三人で一緒なら

>分かってるんだったら早く招待してください

>私は今理性を欠こうとしていましゅ

マシュは世界一可愛いよ!

でもこの世界にはいないからリリィとイチャイチャして待ってるね……

 

 

 

19/07/22()22:29:18 No.608779301

カルデアと連絡がつかない以上マシュと連絡とることは不可能だからな…

 

 

 

19/07/22()22:56:41 No.608788746

どんな怪文書も等しく尊いし書いてる「」は偉いのだ…

 

 

 

19/07/22()23:02:42 No.608790879

>どんな怪文書も等しく尊いし書いてる「」は偉いのだ…

そう言ってくれるとこれ書いてよかったって思えるしもっと書こうって気持ちになるよ

じゃあ俺は本業の大長編アナちゃんルート怪文書の続きの執筆に戻るね…

 

 

 

19/07/22()23:06:08 No.608791983

>今この瞬間は、君の笑顔こそが、世界で一番眩く輝いているのだから。

尊い...成長していくリリィを見守りたい...