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19/07/02()01:00:50 No.603410229

魔術の大成への道というのは、つまるところ血と血の掛け合わせだ。

このくらいは魔術をド素人なりにかじっただけの私すら知っている。

一族の育てた神秘の全ては魔術刻印と呼ばれる霊的臓器に組み込まれ、

優れた血と共に次代へと受け継がれていく。

時折素人の中から突然変異で優れた能力を持った魔術師が現れることも

あるらしいけれど、それは結局一代限りで終わってしまうもの。

であるから、魔術の大家と呼ばれる家は、真面目にコツコツ優れた血統作りに精を出す。

…所長の家だってそう。ムジーク家は1000年続く魔術の名家。

今は没落しているけどそれを立て直すのが所長の悲願なんだから、

当然所長は、今の人理漂白を乗り越えれば名家のお嬢さんを貰うはずなのだ。

こんな…血統の希釈液にしかならないであろう私が、入り込む余地などなく。

「まあ、それはそうだね。君の言っていることは全て正しい」

ライネス師匠は軽い口調で肯定した。私としては否定してほしかったけど…。

「しょうがないさ。好きな男がいたって、その男に魔術的な才能がなければ、

私だってそんな男を正式な夫として迎えることは絶対にできないよ」

 

 

 

 

19/07/02()01:01:08 No.603410262

ライネス師匠は名門エルメロイ一族を背負っているから覚悟があるんだろう。

でも私は未だにそういう魔術師的な考えに自分を染めることができない。

だって好きなんだもの。タイプじゃないから蹴られた…というのなら

諦めもつくけれど、そんな最初から自分が選択肢にも入らないような

状況を、そのまま呑み込めるほど、私はまだ大人ではなかった。

「しかし我が弟子。君の国ではどうか分からないが、欧州の貴族には、

配偶者を複数持って庶子も育むという行いが未だに行われているのだよ。

例えば…。そう、例えばの話だがね。当主として私の夫は名家からの

政略結婚で済ますとしてもだ。恋愛的な関係を他の男と行って、

その子には家を継がせず育てるということもできるんだよ。例えばの話だけどね」

そうか…。所長が奥様を迎えるのとは別に、

私が第二夫人的なポジションに収まることは…できる……のかな…?

「まああの妙に純情な所長くんがやるかは分からないけどさ。

頭の片隅にでも入れておくといつかカードとして使う時が来るかもね」

競争だぞっ。去り際にそんな言葉が聞こえた気がしたけど、気のせいだろう。

 

 

 

19/07/02()01:03:34 No.603410633

君と同い年くらいの頃のエルメロイ二世よりは勉強してるなぐだ子ちゃん

 

 

 

19/07/02()01:09:48 No.603411594

>君と同い年くらいの頃のエルメロイ二世よりは勉強してるなぐだ子ちゃん

実質初代で素養はあるけどポンのコツって下地自体はよく似てるな…

ウェイバー君には鑑識眼って最大の武器があるけど

 

 

 

19/07/02()01:04:13 No.603410750

例え話…例え話とは…

 

 

 

19/07/02()01:05:38 No.603410964

ゴルちゃん×ぐだ子の道は険しいよね

ゴルちゃん本人も協会で生きる適性はないし

 

 

 

19/07/02()01:07:02 No.603411178

>ゴルちゃん×ぐだ子の道は険しいよね

>ゴルちゃん本人も協会で生きる適性はないし

家督は他の人に投げて二人でステーキハウスでもやって

たまにラリーに出るくらいのライフスタイルがお似合いだよね

でもしょちょーは家の跡取りであることにプライドを持ってるからな…

 

 

 

19/07/02()01:08:04 No.603411352

本気にするんじゃないマスター

所詮は義妹の例え話だ

 

 

 

19/07/02()01:26:14 No.603414287 

新所長はそもそも生き残れるのか

まずはそれから

 

 

 

19/07/02()02:02:52 No.603419915 

ムジーク一族だし安心感はかなり高い




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