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 2019/03/17 19:20:01 No.576912110

思えばこれも運命のめぐり合わせだったのだろう。きっとどこかの神様の気紛れだったのだ
私が召喚された時、その惨状に驚いた。燃え尽きた世界、ボロボロの施設、僅かに残った傷だらけの人たち。そしてマスターと名乗るどこにでもいる凡庸な少年
人理焼却が行われ、それでもなお未来を取り戻すために戦う人々の物語。その始まりに私はいた
最初は本当に困惑したものだ。確かに世界が焼却されたのなら私たちも燃え尽きたのだろう
だけど彼らはワルキューレとは縁もゆかりも無いただの人間たち。ここに勇士はおらず、私たちが召喚される理由はない
だからこの旅路は失敗に終わると思っていた。いくら足掻いても、人理修復を行うには彼らはあまりにも非力だった
ましてやマスターは何の力もない少年。世界を救う偉業など絶対に不可能だと思っていた
――――でもそれは大きな間違い。ワルキューレとして勇士しか見てこなかった私たちは、『人間』の強さを知らなかった

 

 

 2019/03/17 19:20:16 No.576912187

多くの世界を見た。時間にしたら僅か1年。しかしそれはとても長く苦難に満ちて、それでいて輝くような旅路
どの特異点、どの時代に置いても人々は輝きに満ちていた。マスターはどんな絶望的な状況でも、決して希望を捨てなかった
巻き込まれただけの凡庸な少年は少しずつ、でも確かに成長していった。勇士とは程遠い、だけどそれ以上の魂の煌めき
きっとその魂に惹かれたのだろう。そんな彼に多くの英霊が助力し、歩みを支えた
私は、いつしかそんな彼に恋をしていた。無数の悲劇を見て、数多の悪意に触れても優しい彼の笑顔が何よりも愛おしくなった
マスターが頼ってくれるのが嬉しかった。マスターが無力だった時から共に歩めたことが、何よりの誇りになっていた
人理修復が終わった後、共に過ごせるのは僅かな間とわかっていても私は彼に想いを伝え、彼は受け入れてくれた

 

 

2019/03/17 19:20:28 No.576912238

退去する時は、胸が張り裂けそうな気持ちだった。マスターと、泣きながら抱き合ったことを覚えている
だから異聞帯との戦いの最中、再び召喚された時は本当に嬉しかった
同時に再び英霊の力を借りなければいけない状況に置かれたマスターの境遇に涙が零れた
本当に泣きたかったのはマスターだったはずなのに、泣くことも許されない彼があまりにも痛々しくて涙が止まらなかった
だからたとえ相手が誰であろうと私も歩みを止めなかった
またマスターに出会えたことが、頼りにされたことが私に力をくれたのだろう。異聞帯の『ワルキューレ』との戦いも、躊躇うことはなかった
気付けばスルーズやヒルドより弱いはずの私の霊基は姉妹の誰よりも強いものになっていた
私にはなぜそうなったのか分からなかったが、姉妹は当たり前のことの様に受け入れ不思議に思っていた私を生暖かい目で見ていた
――――気付いてなかったのは私だけで、きっとみんな最初から気付いていたのだろう

 

 

2019/03/17 19:20:42 No.576912294

「オルトリンデはさ、なんでマスターに力を貸そうと思ったの?」
ヒルドが悪戯っぽい笑顔で聞いてくる
確かに最初は随分と辛辣な評価を下したが、それでもサーヴァントなのだからマスターに従うのは当然では?
そう答えるとスルーズとヒルドは呆れたように私を見ていた
「えぇ…本当に気付いてなかったの…?お姉ちゃんびっくりだよ…」
「あなたは…なんというか、本当に可愛いですね…」
ため息混じりに口々に言う。なんだか釈然としない
「マスターと恋仲と言えど好きになった理由は大切ですよ?」
「スルーズもだいぶ乙女脳になったよね。でも自覚しといたほうがおもしろ、もとい大切だから私も賛成」
姉たちの言葉に疑問が増す。マスターに好意を抱いたのはずっと見てきたからだ
「うーん…そこまでわかってるのになんで気付かないかなぁ」
「なぜ勇士ではないマスターをずっと見ていたのか。その理由を考えてみなさい」

 

 

 2019/03/17 19:20:55 No.576912343

そう言われてからよく考えてみる。だけどやはり答えは出ない
でも好きになった理由、と言われるとマスターが私を好きになってくれた理由が気になってしまう
なんだかもやもやして落ち着かなくなってきたので今日はマスターにうんと甘えよう
マイルームに行きマスターに猫のように甘える。ピッタリとくっつき頭を撫でてもらい、髪や羽根を弄んでもらう
とても気持ちよくてふわふわする。夢見心地になったせいか、つい気になっていたことが口から零れる
―――マスターは、私を好きになった理由がわかりますか?―――
マスターはキョトンとした顔を浮かべてる。言ってからかなり面倒くさい質問をしてしまったと後悔する
慌ててそんな質問をした理由を話す。かなり言い訳じみた事になってるけど取り繕う余裕はない
「あーうん、わかってるよ。きっと一生忘れないかな」
すぐに答えてくれるマスターに驚く。もしかして、みんなはっきりと自覚してるものなのだろうか
私はもうすっかり聞く態勢で、マスターは少し苦笑するように話してくれる

 

 

2019/03/17 19:22:58 No.576912935

「一目惚れだったんだ。君を召喚した時、英霊っていうのはこんなにも綺麗なものなのかって思ったんだ
 でも多くの世界や英霊を見ていて気付いた。英霊が綺麗だったんじゃなくて、君だったから目も心も奪われたんだって
 だから一目惚れ。俺が今も諦めずにいられるのは、きっと一番美しいものを最初に見たからなんだよ」
マスターの言葉に体中が熱くなる。きっと顔は真っ赤になっているだろう
そしてようやく理解した。なぜ勇士ではないマスターをずっと見ていたのか。なぜ不可能だと思っていたのに側にい続けたのか
自覚してしまうと色々なことに得心が行く。どうりで私たちが恋仲になったとき、誰も驚かなかったわけだ
――――私も一目惚れだったんだ。マスターと出会った瞬間から、私はあなたに恋していた

GOOD END『恋が花咲く瞬間』

 

 

2019/03/17 19:47:04 No.576920510

いい...

 

 

 2019/03/17 20:00:33 No.576925360

おでんの先見の明が輝いた世界線

 

 

2019/03/17 20:07:38 No.576928007

自分をお姉ちゃんって言うヒルドの可愛さ

 

 

 2019/03/17 20:08:40 No.576928496

いいね!

 

 

 2019/03/17 20:14:11 No.576930835

両方一目惚れって当方夫妻と同じだけど大丈夫?

 

 

 2019/03/17 20:17:46 No.576932327

頼れる仲間が周りにいるから…

 

元スレ:http://img.2chan.net/b/res/576912110.htm

 
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