アンデルセン怪文書　夏休み編　置き土産

2018/07/25 18:15:36 No.521307945

メロン峠のドブ川女が正義の味方ぁ？
ハッ、酔狂極まる筋書きだ。俺が批評家なら読まずに丁寧に折り畳んで暖炉にくべるだろうな。
が……まあ、たまにはそういうのも悪くない。
一夏の思い出を作ろうと言うんだ。どうせならとびっきり頭のおかしな物語にしてやるのもオツなものだ。
そう、二度と忘れられんくらいにな。
それに俺個人としても興味がある。奴が全年齢対象の児童書でどこまでやれるのかをな！ハハハ！
…こほん、言ってて面白くなってしまった。
だがまあともかく気を付けることだ。奴に棹を握らせればどんな美談も三流喜劇に成り果てかねん。ドッチラケ、と言った具合にだ。
──ふむ、嫌な予感がするな、少しばかり口が過ぎたか。そろそろこの宿からも引き払い時ということかもな。
というわけで俺はここを引き上げる。編集に捕まらんコツはフットワークを軽くすることだからな。
何、さっき言ったことは二流の物書きの妄言とでも留めておけ。
では、精々楽しいバカンスを送ることだな、マスター。